■ 塩は焦げない by T
2021-09-23


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「さとやまの塩」作りにおいて、湿気を完全に飛ばし塩をカラカラにする最終段階で、塩が焦げつかないかという質問を時々受けます。

塩は焦げません。砂糖は焦げますが塩は焦げません。何故ならば塩は無機物だからです。塩は炭素を含まない無機物だからです。それに対して砂糖は炭素を含む有機物なので焦げます。

また、焦げるつまり炭素を含む砂糖などの有機物は、腐ったり菌が蔓延ったり発酵したりします。しかし無機物の塩は腐ったり菌が蔓延ったり発酵したりしません。つまり長期に保存できるということです。

ところで何故、僕は塩を作り続けているのか、その理由は2つあります。

第一に、塩は生きる上で必要不可欠だから。作り続ける大義名分として、必要不可欠なものという条件ほど有意義な条件はありません。

そして第二に、塩は腐らず長期保存できるから。つまり塩は焦げない無機物だからです。

エピソードを紹介しましょう。僕は薪原木を頂いた方々には「さとやまの塩」を返礼します。17年間返礼品としてきて、「塩は要りません」と断られたことが一度もありません。塩は好き嫌いの趣向性対象ではありません。塩は腐らせるほど十分にあって置き場に困るというものでもありません。つまり塩はかなり優先度の高い生活必需品だということです。

自分に与えられた人生の限りある時間を、どのように使うか。その際に僕はこの必要性優先度の高さという観点を重要視しています。

薪つまり暖房手段も生きる上での必要です。しかし薪は有機物で朽ちていきます。そんな有機物の薪の一部で無機物の塩を作る。朽ちていく薪を保存可能の塩に凝縮結晶化させる。とても良い時間の使い方だと僕は考えています。
[by T]
[里山/Satoyama]

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