■ 料理は最速のファストフード by T
2018-03-20


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先述の著書『火の賜物』で、人間は料理することによって食材から効率的に栄養を摂取できるようになったという論を紹介しました。

このことは吸収できる栄養量を増やすだけでなく、食べ物を咀嚼・消化するための時間の節約にもつながりました。人間は他の哺乳類に比べて脳が大きいですが、逆に胃腸消化器官が極めて短いそうです。食材を加熱料理することは多量の栄養を少ない労力とエネルギーで、しかも極めて短時間に消化吸収できるようになったということです。

では自分の時間を使って自分で料理するよりも、出来上がった料理を購入したり外食したり、それこそファストフードを食べたりすれば、更に短時間で栄養摂取でき、自分の時間を更に確保できると言えるでしょうか?

僕はそう思いません。加工食品や外食品には他の人間の時間と労力がコストとして加算されており、そのコストを捻出するために購入者は他の場面で時間と労力をかけお金を稼がなければなりません。よって私たちは原始人よりも自分の時間確保が困難になり忙しい暮らしを余儀なくされているようです。

最後に勝利するのはウサギではなくカメのように、ゆっくり丁寧に身の丈で暮らすのが、最終的に効率的・効果的なのではないでしょうか。

でも問題は、自分の自由な時間を確保できたといったところで、その自由な時間をどう活用すればよいか悩んでしまうという問題も生じているようです。ゆとり教育が頓挫したように、大人そのものが時間をどう主体的に活用すればよいか未学習というわけです。その話はまた後日一緒に考えていきましょう。
[by T]
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