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金山里山の会で生産している薪は、コナラ(ホウサ)の薪です。
コナラは金山里山の主木であり、再生萌芽が容易であり、燃焼効率が良い等々の理由からブランド化を目指しています。価格も安定しています。
それはそれで賛成です。ただ以下は、ここだけの個人的な暮らしの話です。
薪作りを開始した約20年前は、我が家の薪ストーブで燃やす薪はコナラなど堅木の落葉広葉樹に限る、それ以外の木は燃やさないぞと僕もこだわっていました。
ところが約15年ほど前に、僕はある薪割り講習会に参加しました。講師はアメリカの薪ストーブ『バーモントキャスティングス』の正規輸入代理店ファイヤーサイドの社長であるポール氏でした。氏は僕に質問しました。
「最高の薪って何だと思う?」
「コナラの薪ですよ」
「違うね。コナラも良いけど、最高の薪というのはね、実際手に入る薪ですよ」
僕はガツンとやられました。
薪に貴賎の区別なし。つまり毎日の暮らしには無理なく薪を入手することが重要で、それぞれの薪の長所を考慮して、賢く薪焚きライフを楽しみなさいということでしょうか。
僕が求めているのはクリスマスパーティなどイベントに使用する薪ではありません。持続的な暮らしを支える薪なんですから。それから僕はスギもマツも柿の木の剪定枝でも何でも薪にしています。
マツやスギやカバなどは着火、焚き付けに最適です。大工さんから頂くベイマツなどの木っ端は、樹皮がないので虫が付きにくく保存に適しています。僕が使用しない木は、海水に使った流木と塗料や接着剤入りの合板と、割ってない竹です。
当然、コナラの原木が手に入ったときはとても嬉しいです。コナラを割っていると赤ワインに似た土の芳香が漂ってきます。生まれて初めて薪を斧で割ったあの青臭い時代を思い出します。あれから20年、薪というものには多くのことを教わりました。
P.S. 話は変わりますが、僕はコーヒーも好きです。コーヒーにも多くを教わりました。それで一番美味しいコーヒーって何だと思います?一番美味しい意コーヒーは、淹れてもらったコーヒーだと最近ふと思いました。